災害時に求められる機能を海上輸送用コンテナにパッケージ

一般社団法人日本災害対策機構では、海上輸送用コンテナを改造し、「災害電源設備コンテナ」「災害備蓄コンテナ」等の「防災コンテナ」を、企業連携型で開発している。
 輸送や保管がしやすいコンテナを利用することで、災害時に求められる食糧、機材、用品等の備蓄を推進するとともに、必要とされる災害の現 場へと防災コンテナを輸送する仕組づくりを構築している。

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海上輸送用コンテナの、移動のしやすさ、耐災害性、経済性に着目

同機構の取組は、津波対策の検討を起点としている。同機構の発起人は、平成24年より高知県内において、南海トラフ地震等により発生する津波からの避難方策について地域住民と検討をスタートさせ、地震発生後、津波の到達時間が極めて短いケースへの対策の一つとして、住民が逃げ込むシェルターとして海上コンテナを活用することを検討した。この際、コンテナが、移動性や耐災害性、経済性に優れることを改めて認識し、以降コンテナを活用した防災対策の検討を、企業連携型で進めている。

災害時の様々な局面に対応できるよう、6つのカテゴリーで標準化

同機構が開発している防災コンテナは、

①災害電源設備コンテナ
②災害造水コンテナ
③災害備蓄コンテナ
④災害避難支援コンテナ
⑤災害時復旧支援コンテナ
⑥災害時廃棄物処理コンテナ


の6カテゴリーをベースに全31機種に標準化されており、それぞれにおいて備蓄する食糧、機材、用品等が定められている。
 コンテナ内に備品を予め備蓄するとともに、災害時には牽引トレーラーで必要とされている場所へと輸送した上で、災害現場で展開し、それぞれの機種に期待されている役割を果たすよう設計・開発されている。道路や港湾施設が津波によって崩壊した場合は、ヘリで物資を搬送できるように航空搬送ネットワークの整備を準備している。

 例えば、災害時復旧支援コンテナは、道路や家屋の倒壊した現場でがれき処理や下敷になった要救助者の捜索、救助を行うための機材や重機を収納し迅速に取り出すことができるようにしてあり、災害発生時でも、自衛隊や消防が到着する前に救助作業を開始することのできる救助支援システムとなる機能を有している。

 また、災害時電源設備コンテナでは、ソーラー発電や小型バイオマス木質ガス燃焼型発電ユ ニット等を搭載することとしており、コンテナ設置後、数時間で発電可能な仕組を構築してい る。